日経クロステック 抗議文

株式会社日経BP
代表取締役 吉田直人殿

拝啓
初めまして、私は「レオパートナーズ倶楽部」という会の代表を務めている田中悟と申します。
名前でおわかりになるかもしれませんが、この会はレオパレスのオーナーによって組織されたもので、会員は現在350人ほどであります。

さて貴社は多くの雑誌やウエブマガジンを発刊、発信をしています。
その1つが「日経クロステック(XTECH)」。
住宅関連の情報が中心なので拝読している会員も多くおりますが、最近、とても気になる話題が掲載されていたので、抗議を込めた思いでお便りを差し上げた次第であります。

それは9月に発売された過去1年間のニュースをランキングした特集です。
そのランキング1位は「レオパレス施工不備起訴、『界壁なし』でもオーナーの賠償請求を棄却」。
昨年の記事で、ずいぶんとひどい内容だなという印象を持っていました。

それが、1位にランクされたということでまた掲載! これはさすがに無視することはできません。
何が問題なのか、と問われますか? 大問題です。

記事の中心は、時効はおかしい、レオパレスの隠蔽体質など、原告オーナーサイドの主張だけを一方的に取り上げているからです。
私たち一般オーナーは「レオパレスとは共存共栄、良きビジネスパートナー」というごく当たり前の認識があります。
だからこそ度重なる偏向報道で価値を毀損されることに怒りを禁じ得ないのです。

多分、書いた記者も取りまとめた編集者も施工不備を含めたレオパレス問題の本質を、全くわかっていないのではないかと考えてしまいます。
まず、この当事者の岐阜のオーナーは、実際のオーナーではなく親族なのですが、その背景事情には普通では考えられない問題があるオーナーなのです。
なぜなら、レオパレス21社から、メンテナンスの必要を再三指摘されながら延々と完全無視。
界壁についてはレオパレスが負担することまで申し出ているのに、階段や手すりなどのダメージがひどいまま放置。
結果、界壁どころか入居させること自体が危険になったのです。
しかしサブリース契約を結んでいる以上、レオパレスは入居者ゼロのアパートにお金を払い続けなければなりません。
最終的に契約解除になるのですが、私が知っている限り最低でも5年間以上も、レオパレスは入居者のいないアパート所有のオーナーに家賃を払い続けたのです。

詳しい年数は裁判記録に(同じ岐阜のオーナーが契約不履行の訴え。当然棄却の判決)記載されているからわかりますが、私から言わせればオーナーの風上にも置けません。
しかも、誰も住めないボロボロのアパートに今度は界壁云々で2000万円損害賠償請求の訴訟、もうこれは人としてどうかという話ではないですか。
しかもこの人のバックにはレオパレス倒産を目論むLPオーナー会がいて、実際に記事に前田代表のコメントを使っているではないですか。
この代表は昨年にはレオパレスから契約解除されているのです。

ご存知でしょうか。
そんな人物があいも変わらずオーナー代表として異常な活動をしているのです。
もはやまともなメディアは相手にしません。
このような背景、現状を知ればこの記事の偏りがお分かりになるでしょう。
ましてや時効判決に炭鉱労働者のじん肺被害と同列にするのは笑止、としか言えません。じん肺被害者に失礼すぎます。
ではそもそもレオパレスの界壁問題とは何だったのか。

法的に言えば当時の建築法違反。
これは事実、変えようがありません。
しかし、レオパレス側は言い訳になるから死んでも言えないことがあります。
初期のレオパレスのアパートのデザインは団地のような屋根裏が平たい集合住宅。
防火対策などこの段階では建築法の違反はありません。
アイデアマンで勢いのあった当時の創業者は「これでは魅力がない。かっこいい屋根を被せろ」となりました。
となると屋根裏部屋ができることになり「界壁があるのが望ましい」という法律を遵守する必要が出てきた。
だから設計担当者は界壁の図面を描いたのですが、防火対策はできていると判断して、実際の現場では施工されなかったようです。

違反は許されることではありません。
非があるのはレオパレス、とはっきりしています。
しかし、御社と同系列のテレビ東京の番組が、何の検証もせずに、イラストなどを使い界壁がないと一棟がすぐにでも全焼するがごとくに放送。
これは命に関わると煽りまくったのはやりすぎです。
何かとんでもない違反をしたかのようなことに印象操作されました。
同業他社も同じような瑕疵はあります。
レオパレスのような騒ぎにならないのは、LPオーナー会のようなクレイマー集団がいないからです。
火災といえば、私どもは2年前の倉敷でのタバコによるレオパレスアパートの火事を調べました。
内部は業火で黒焦げでしたが延焼はゼロ。
現場に行って確認しているので、証拠写真もあります。
御誌はこのような取材はしていますか。

だからといってレオパレスがやったことは許されるものではありませんが、レオパレス=悪、という前提はいかがなものでしょう。
修理修繕は公表しているわけで、大赤字になりながらも愚直に取り組んでいます。
いずれにせよ少なくとも多角的にきちんと取材はするべきなのでは。
私のこの意見について是非、回答をいただきたく存じます。
 
敬具

〒165−0027
東京都中野区野方6−10−4
エクセルアサヒⅥ1F
レオパートナーズ倶楽部
代表 田 中   悟